久野原の御田―数百年続く伝統芸能を堪能しよう
久野原の御田は、和歌山県の無形民俗文化財に指定されている伝統芸能で、その起源は室町時代にまで遡ります。この行事は、稲作の全生産工程を模倣し、豊作を祈願する神聖な儀式として行われてきました。
2025年2月11日、久野原区の岩倉神社境内で、久野原の御田が奉納されます。この御田の最大の特徴は、全国的にも珍しい、田起こしから稲刈り、籾供えまでの全工程を舅が聟に教える形式で行われる点です。また、子どもたちが早乙女役として登場し、苗取りや田植えなどの主要な農作業を演じる愛らしい姿が、行事に華を添えます。
行事は、幟を掲げたお渡りから始まります。役者や関係者が謡い囃子を歌いながら岩倉神社の馬場道をゆっくりと進み、神社境内の舞台で御田が行われます。舅方と聟方に分かれた座謡による歌や掛け合いの中、役者が無言で演技を進める様子は、伝統芸能ならではの厳粛さと温かさを感じさせます。
縄文時代後期の遺跡が存在する久野原区は、古くから人々が暮らしてきた土地ですが、江戸時代以前は水不足に悩まされていました。そのような背景の中、稲作をテーマとした御田が生まれ、長きにわたって受け継がれてきたのです。
現在、過疎化が進む中でも、保存会を中心とした久野原区民の尽力により、この伝統が守られています。本年は2019年以来、6年ぶりに全ての演目が奉納される予定です。この貴重な機会に、数百年の歴史を持つ伝統芸能に触れてみませんか?
自然と共に歩んできた久野原の人々の祈りと知恵が詰まった御田、ぜひその目でご覧ください。
開催期間 2025年2月11日(火・祝)12:30〜14:30
開催場所 岩倉神社
所在地 和歌山県有田郡有田川町久野原(久野原小学校北隣)
名称 | 久野原の御田 |
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期間 | 2025-02-11~ 2025-02-11 |
時間 | 12:30~ 14:30 |
場所 | 岩倉神社 |